自分の関心が変化したのか、数年前から「思考の整理学」のような思考法、知識整理術のような本をよく目にするようになりました。
この「人生にゆとりを生み出す 知の整理術」という新刊も大まかにはその類だと思うし、phaさんとしては新たな次元に入ったというか、ニート関係なく他の物書きと同じ土俵に立ったというか、私としてはそういう印象を受けました。(なんか上から目線かもしれず申し訳ないですが)
なので今までみたいに、ニートや生きにくい人がphaさんの本だからって読むものではないのかもしれません。
世に多くありそうな知識整理の仕方をわざわざphaさんの本で読む必要性があるかということだけど、何かに興味があって、でもどうやって知っていけばいいのかわからないような場合や、phaさんのやさしい文体で読みたいという人にはとてもいいと思う。
受験生だけど勉強の方法がさっぱりだ、という人にも良さそう。
私は家庭教師をしたことがありますが、忘れそうな頃に「あれなんだっけ?」と質問し、何度か思い出すようにすると記憶が定着しやすいですよね。
記憶するだけの勉強というのはネットの普及で不要になったのだと思うけど、とりあえず知識を書かせるような試験ならパスしなきゃしょうがないですし。
それに知識が頭の中にあれば、自分の中でそれらをミックスして考えられるので、いつでも調べられるとはいえ、まったくの無駄とも言えない。
そういう意味では、もちろん細部まで覚える必要はなくて、とっかかりの部分だけ頭に入れておけばいいのだと思います。(何もないと調べることすらできないので、最低限の断片があればいいということ)
ある程度、自分で興味を持ったことを調べたり学んでいけるという人は、既にそれぞれにやり方があるだろうし、そこは今さらかもしれません。
ですが、この本のようにまとまった文章にしてもらうと、「それオレもやってるわ」とか、「そういう方法もよさそうだな」となる。自分のとは異なる方法論を知るのはいいよね。
性格も人それぞれだから、自分にあった方法にアレンジしていけばいいのだし。
なんとなく普段やったことがあるアレに、何とかって横文字の名前が付いているのも知ることができるしね(ポモドーロ・テクニックとか、そういう言葉がいくつかあったような…)
意識高い系はちょっと疲れてしまうし続かない。でも意識が低いのでなく、意識ゆるい系という感じ?
・読んだ本は重要度によって数段階に分けて記録する
→読んだことだけを記録する
→部分的に引っ掛かった場所だけをメモ
→自分が読み返してわかる程度でいいので記録を残す
→内容を他人に説明するようなレベルで書く
・まったく知らないジャンルについては本を最低三冊は読む(異なった著者のものを)
など、具体的で真似できそうな方法がたくさん書かれています。なので、まったく何から手をつけていいかわからない場合はもちろん、自分の方法がある程度確立していても十分役立つはず。
しかしphaさんだと、どちらかというとエッセイ的なものを読みたい気もしますよね。ファン以外にもということかな。
本書の内容を大まかに紹介すると以下のよう。
知の整理術が4つ
・デジタルとアナログの使い分け
・書く
・そのままの情報でなくメタ情報
・まったくのフリーより制限に力があるその他
・インプットの技術(情報を整理)
・アウトプットの技術(頭を整理)
・モチベーションとスケジュールの技術(だるいを解消)
・楽しく知識が増えるマンガガイド
この本にあるように、ブログをやっている人は、本を読んだり何かを知った場合、書いて投稿することで自分の理解を深め、記憶に残りやすくしたりします。
いわゆるインプットしたらアウトプットなのですが、それにも
・軽いアウトプット
・重いアウトプット
があり、両方を使い分けるというのはやはり重要ですよね。
趣味のブログなのに、いきなり「しっかりと書かなくては」と感じたらプレッシャーだし、普段は気軽にアウトプットをし、自分なりの考えがまとまってきたらそれなりの文章にする。
軽めのアウトプットは「寝かせる」ということでもある気がします。
そういうレベルのものが集まったとき、普段から何か深く考える習慣があればですが、脳内で何らかのクロスオーバー的なことが起こるのかもしれません。
また冒頭にあるのですが、この本の根底にあるのは、「辛い思いをして必死でやるよりは、どうせならなんとなく楽しみながらやった方がなにかと良いんじゃないの?」ということだと思います。
難しく構えずに、気楽に考えられるようになるのがphaさんの本の良いところ。
広告とか
-- 記事一覧ページへ --