原作を読めば色々とあるのだろうけど、映画だとどうしても心情の推移などを凝縮せねばならず、どうしていきなり顧客の孫とああいう展開になるかは分かりません。ですが、そういう部分は自分で補足して楽しめばいいのでしょう。
普通、むしろ節約家の主婦がちょっとしたきっかけで欲望を開放していくお話。
宮沢りえがいい感じに年を取ったなあと思うし、これがビデオ屋に行かず月々僅か数百円の支払いで見放題という「プライムビデオ」にも恐れをなしてしまう。
宮沢りえは若い頃に「サンタフェ」というヌード写真集を出して話題になったけど(多分まだ実家のどこかにあると思うんですよw)、そもそも芸能界に入るとか就職せずに個人で起業するとかいう人は、はなからサラリーマンより色々な事が吹っ切れているんでしょうね。
40歳とか50歳で吹っ切れてもちょっと遅い気はしますが、ネットや数年前から発売される本などを見ていると、雇われるというのはちょっとアレなのかと何となく感じてきた人は増えていそうですね。
欲望に忠実に悪いことまでしてしまう人は一定数いるのだけど、多くの人は横領した金で遊んでも多分楽しくないと思うんですよね。そういう人が今まで一般的だと思っていたのだけれど、今後はそうでもないのかも。
まじめにやっていてもどうにもならず、正直者が馬鹿を見るような、あまりにも世の中ばかばかしいと感じる世界になってしまってきていると思うから。
ただ映画のようにいいホテルに泊まって高いワインを飲むと楽しいってことは、もう我々の(節約型の早期リタイアでダウンシフター的な)考え方じゃなくて、逆に無駄と感じてしまいそうです。いっても回転する寿司以上のクオリティは不要でしょみたいな(笑)
ここから多少ネタバレしているので、全く何も情報を入れたくない人は読まないで下さい。
「紙の月」の大筋は、宮沢りえが銀行の契約社員で横領をするわけですが、映画としては、途中、悪事を感づかれてからが俄然面白くなってきました。
最後の宮沢りえと小林聡美がやり合うシーン。まじめな行員を演じる小林聡美が「あれはダメ、これはダメと思い込んでるのを全部取っ払って、自由に何でも好きにやれるとしたら何をするか。そしたら徹夜ぐらいしか思い浮かばなかった。あなたは何千万も使って、したいことをし尽くしたんでしょ。」というシーンが考えさせられます。
紙の月=「Paper Moon」というのは、作り物やまやかしということだと思いますが、「たしかにお金なんてただの紙だから偽物かも。だからお金じゃ自由になれない。」と小林聡美がいうシーンがいいので、機会があったらご覧ください。それが作者の言いたかったことなのかもしれないなあ、映画版しか観てないので分からないけど。
(アーリーリタイア関係者が多く見るブログなので一応補足しますと、ここで言う「自由」というのは精神的に何ものにも囚われない心ということであって、早期リタイア者が、貯めたお金で買う人生の自由時間というのとはちょっと違うのだと思います。たとえ自由な時間を手に入れても、それで精神的自由を得られるというわけではないと思うから。)
ぐぐったら原田知世のドラマ版もあるようです。知らなかった。原田知世もいい感じになりましたよね。
原作はこちら。
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こんばんわ。
僕は原田知世さんのドラマ版を見ました。
ドラマ版、かなりドロドロしていて良かったですよ。
そうか。プライムで見られるのか。映画も見てみます。(^^)
>正吉さん
こんばんわ。ドラマはNHKであったのですね。ぐぐったら西田尚美が出ていて、私わりとこの人好きなので原田知世版も観たい。
プライムでは最近見られるようになったのだと思います。他にも「悼む人」とか本屋大賞的な話題作が見られるようになってました。
サンタフェは衝撃的でした。
今見たらどうなのかな。見てみたいです。
プライムはすごいですよね。
お試しで入って解除し忘れたパターンですが(笑)昔レコードで買ったアルバムとかをダウンロードして聞いてます。
>きすけさん
サンタフェはエロさは感じなかったので私は少しガッカリしました(笑)
プライムの音楽系も日本のはまだ少ないかもしれないけど、昔の洋楽とか聴けますね。