先日の「作詞少女」はなんとなく歌詞を作っていく道筋が見えたけど、自分にとっては、こちらの作曲の方が難しい感じがしたなあ。
作曲家として活動するJKがクラスメイトのJKに教える形で進む、いわゆるラノベ形式の文章です。
Amazonのレビューを見ると、作曲少女が素晴らしかったのに作詞はダメというものがあり、実際に作業してみるとそうなのか、人によって感じ方が違いますね。
この本は、ざっくりいうと、とりあえず一曲作ってみるのを目指しているのだと思います。
耳コピし、作曲ソフトを使えるようにし、自分で物語を作り、それをAメロ、Bメロ、Cサビ等に落とし込む。そして既存の曲から借りてきた雰囲気(ベース音を真似する。最初は真似からだ)を自作のメロディ用に変更し、とりあえず一曲作ってみる。
何でもそうですが頭の中で考えているのと、一度最後までの流れをしっかりやるのとは天と地ほどの差があります。机上の空論ばかりではどうにもならんので、とりあえず一度最後までやって見るべし。(今でいうところのtrial and errorや!とかいいつつ私も今のところ本を読んでるだけですが…)
メロディの前段階として「物語を作る」というのは、先に「作詞少女」の方を読んでいたためか、すんなり納得できました。(物語というかモチーフ。誰それがどういう状況で…のような設定というか)
単にメロディを捻り出せば良いわけではなくて、導入があって展開して盛り上がるみたいにきちんと構成が成されているのね。そして、物語からメロディを作ったのなら、それが歌詞のイメージにもなるし。
「作詞少女」は、人のメロディに歌詞を付けるのを「音楽語を翻訳する作業」という言い方をしていたんだけど、逆にメロディを作るとは、心象風景や感情を音楽言語に変換する作業をしていくということみたい。
エッセンスだけ書いてみると、
・自分が感動するものを知る
ストーリーを組み立てるため
・耳コピをする
メロディとベース音(ハーモニーやドラムもできれば尚良いが)を打ち込む。(それにより作曲ソフトの使い方にも習熟して来ると思われる)
・キーの話(この本で唯一の理論)
曲のキーをF、Gなどと決めれば、必然的に鍵盤上で使える音が決まってくる。(ある程度できるようになったら、それを意図的に外すことで個性や味が出る)
・テクスチャー(裏技)
メロディを作ったとき、素人が曲の雰囲気を作ることは難しい。初期段階として作りたい既存のもののベースを耳コピし、キーを変えて自分のメロディと合わせてみる。そして自分用に変更していく。
ドラムで一気に曲っぽくなるそうで、その辺りはとりあえず音楽ソフトに搭載されているバリエーションをそのまま貼ってみる方法もある。
というようなことが重要らしいです。あまり詳しく書くと営業妨害になってしまうので、詳細を知りたければ実際に読んで下さいということになりますが。
素人なので耳コピという時点でできる気がしないけども、自分で楽器を始めると、その楽器の音に注目して聴きがちになるということはあります。個別の音を聴くというのは、その延長なのかもしれません。
難しい音楽理論書を初心者が読んでも理解しがたい。そこで新しい切り口でどうにか初心者の助けになる提案ができないか、というコンセプトで書かれています。おっさんが手に取るには、ちょっと気が引ける装丁ではあるけどねw
(*追記:「作曲少女2」も読みました。)
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