「作曲少女2」を読む


2ということは前作もあり以前読みましたが(実は作詞も読んでいる)、実践できるDTM環境が整ったので本を読んでぼちぼちやろうと思います。

作曲少女はラノベ形式ですが、わりと心構え的に重要なことが書いてあるシリーズなのよね。今回は多少理論の方寄りになってきた感はありますが。

 

前回は「好きなものを音で表現する」というスタンスでした。でも誰もがそんな夢中になれるようなものを持っているわけではない。

「では(他人に大声で発表したいほどの)好きなものがない人はどうすればいいのか」というのが今回の大きなテーマでした。

 

それについては、まず創作の目的について三つに分類されると説明しています。

1.目的のための創作
 言いたいことがある、気持ちを分かち合いたいがためにする創作(故に手段は選ばず作曲以外の方法でもよい。上に書いたような好きなものがあるパターン)

2.手段のための創作
 ただその行為が好きだから実行する創作。(〇〇な音や楽器が好きで、単純にそれを楽しみたい。なので手段は決まっている)

3.発散のための創作
 主張や手段は何でもいいが、ただ自分の気持ちを”出す”のが一番の目的な創作。自分の何かを発散することが目的で他人と分かち合うわけではない。

 

1の何か主張があるのが崇高だと思われているが、そうではない。自分にあっているものを選べばいいし、この三つのどれか一つではなく、そもそもが三つの割合の話である。総合的に自分がどの割合なのか、別に何割ずつでもいいではないか。

そして3は誰でもできる創作であり、大勢の人を救い得るかもしれないというのを一つの解にしています。

著者は「特に主張はないなあ」という人に、「別に難しく考えずにやればいいじゃん」と伝えたいのかなと私は思うのです。

 

これね、1,2の人は現在でも仕事や趣味でやると思うのですが、3は将来的に人類の生存に必須な仕事が減った時、人間にとって重要なことだと思うんですよね。

なので書いたのだけど、例えば今回の自粛で余暇が極端に増えてやることに困る人がいたでしょう。

今回は期限があるかもしれませんが、ゆくゆく多くの仕事がロボットに置き換わって莫大な余暇ができたら、創作ってのは時間潰しに非常にいいと思ってます。もちろん絵でも文章でも何でもいいので。

受け身のことばかりやっていると多分精神がおかしくなってくるんじゃあないかと。別に発表しなくていいなら既存のルール内でやらなくていいのだし、自分のルールでやればいいことだから。

 

前作の「作曲少女」を読んで自分でしたメモによると、

・耳コピし、作曲ソフトを使えるように(最低限メロディとベース音。ソフトの使い方に慣れる)
・自分で物語を作り、それをAメロ、Bメロ、Cサビ等に落とし込む(キーを考える)
・既存の曲から借りてきた雰囲気(ベース音を真似する。最初は真似からだ)を自作のメロディ用に変更し、とりあえず一曲作ってみる

ということがエッセンスだったようです。もう一度、読み直そうと思いますが。

 

今回の2は、スケール(例えばブルーノートや沖縄の音階とかそういうの)や調号、メジャー/マイナー、転調など理論的なことをイメージしやすく説明しています。前回はキーのことは書いてあったわけですが、サークルオブフィフスとか難しくなってきたよ。

ただそういうのに拘らず、コード進行は心の流れなので、一般的な〇〇進行なんてのは気にせずやった方がいいとかそういう感じ。

 

ピアノマーベルでも何となく出てくるので、キーや調について頭の中では少しずつ分かってきました。

(例えばハ長調を二長調にすると、どの鍵盤を使うかとかそういう事を。

これは別にネットで見たのですが、(自分用メモ)
長調:全全半全全全半(ドからだとわかりやすい)
短調・全半全全半全全(ラからだとわかりやすい)
のように上がっていくと知れば、一つキーがずれた時にどの鍵盤を使うのかわかる。もちろん聞けば変な感じがするドレミファになるので知らなくても感覚的にわかるのですが、理論的にはそういうことだったのかと)

 

また今回は練習を積むということが重要視されていると感じますよ。即興とか短時間でどんどん作るゲームみたいなものが出てくる。要は「とりあえず場数を踏んで慣れてからだ!」ということかも。

1ではとにかく一度最後まで作ってみる。2はそれを繰り返し慣れていく、というのが目標なのかな。その中で少し知識を入れていくみたいな感じ。

あとこれも前作を読んで自分が書いていたことですが、頭の中で考えているのと一度最後までの流れをしっかりやるのとは天と地ほどの差があります。

なので初めは実際に出来る範囲で耳コピして打ち込んでみるのがいいかもね。音源を選んでマウスでポチポチやるのは大変で、やはりソフトに慣れるという意味がありますし。

 

このシリーズはストーリーもちゃんとあって、今回台詞的には「何も作れなくて、ただ受け取るだけしかできないって、しんどいんだ。」というのが良かったです。

ちなみに作詞少女では「創作が恥ずかしいのは、自分らしいから」というのが核心をついているなと思った。

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