「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」を読みました


大まかな見出しだと以下の様になっています。

1.お金の正体
2.テクノロジーが変えるお金のカタチ
3.価値主義とは?
4.「お金」から開放される生き方
5.加速する人類の進化

 

先ず、お金について説明をし、現状の経済がどうなっているか、そしてテクノロジーの進歩による今後の展望が書かれています。

そこで、パラダイムシフトが起こった新しい世界で、我々はどのような生き方をすればいいのだろう。

というような内容の本。

 

なので実はこの本は「お金」とは?というのはメインでなく、AIやロボットが面倒な仕事を代替してくれる未来、人は何を目的にし、どう生きていくのかの方を言いたいような気がします。(ページ数は少なくても)

お金に縛られる現状から、ベーシックインカム的な働かなくてもある程度生活に必要なものが手に入る世界への移り変わりを予見し、生きるために働く必要がなくなった世界で、生きる目的を創造していくことが重要になっていくと説く。

現在の常識はその時代のものであり、世代が変われば変化していてもおかしくないものです。働き方や生きる目的、経済システムもそうでしょうし。

 

ただ、今の経済で優位な立場にある人にとっては新しい仕組みなどは必要ありません。噛み合わない人にとってこそ新たな仕組みが欲しい。

重要なのは、ネットが普及して物理的な制約がなくなり、「複数の経済システムは並存し得る」ようになったということ。

アイデア次第で独自の経済圏を作ることができてしまう時代になってきた。(そして個人は自分に適した経済を選択していけばいい)

 

この人の本は先日も読んで面白いと思いますが、書いてあるような世の中になる前に自分が死んでしまって「お金のコモディティ化」の恩恵はちょっと受けられない気がする…

 

以下、適当にざくっとエッセンスを抽出してみます。

現実はおおよそ三つの異なるベクトルが互いに影響を及ぼしながら方向性を決めている。

お金」「感情」「テクノロジー

 

1.お金の正体

お金は「価値」という漠然としたものをうまくやりとりするために生まれ、価値の保存・尺度・交換の役割があるといわれる

産業革命で農業から工業へ、労働者と資本家に大別されるようになる

市民革命により貴族などの身分の影響力が薄れる一方で、工場を作る原資である「お金」が重要になってくる

労働者も生活する手段としてお金の重要性が高まる

お金が社会の中心になると、製品を作って売りお金に換えるより、お金からお金を生み出す方が効率的と気づく

価値を効率的にやりとりするための手段として生まれた「お金」は、やがてそれ自体を増やすことが目的と変わっていった

 

2.テクノロジーが変えるお金のカタチ

インターネットは距離と時間の制約を吹っ飛ばして、情報を瞬時に伝達するテクノロジー

今までの「中央集権化」とは真逆の「分散化」が進んでいく

近代までの社会システムを全否定するパラダイムシフト、中央集権的な管理者からネットワークを構成する個人への権力の逆流(大企業が取って代わるというのもあるけど)

自律分散して、絶対的な支配者や管理者がいなくなる。自律的に動く各要素によってバランスする

 

分散化の流れの一部

共有経済(シェアリングエコノミー)

UBER、Airbnb。配車サービス、民泊サービスだが、車や不動産を所有しているのではなく、支払いの仲介やレビュー信頼性の担保

トークンエコノミー

仮想通貨、ブロックチェーン。独自の通貨トークンで独自の経済圏がネット内で完結。国家がやってきたことの縮小版

評価経済

YouTube、インフルエンサー

 

仮想通貨など、価値の交換に利用できる道具が増えていき、お金はその一つに過ぎなくなる。

「お金」は単なる「道具」である。

 

ネットで完結する経済圏で様々なトークンが使われる。デジタルネイティブの次の世代はトークンネイティブになっていて我々のように違和感は感じない。

イギリスの作家ダグラス・アダムスが残した言葉。

「人間は、自分が生まれた時にすでに存在したテクノロジーを、自然な世界の一部と感じる。15歳から35歳の間に発明されたテクノロジーは、新しくエキサイティングなものと感じられ、35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものと感じられる」

 

3.価値主義とは?

可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界。

お金は価値を資本主義経済の中で使える形に変換したもの。価値を媒介する一つの選択肢にすぎない。

価値を最大化しておく。それはいつでもお金や他のものと交換できる。という考え方。

 

「価値主義」とは経済の民主化

300年近く国家の専売特許とされてきた通貨の発行や経済圏の形成が、新たなテクノロジーの誕生によって誰でも低コストで実現できるようになりつつある。

 

なぜ多くの人が評価経済や信用経済に対して違和感を抱くのかというと、今話題になっている大半の仕組みが「評価」や「信用」ではなく、「注目」や「関心」に過ぎないから。

奇をてらった発言で注目を集めても、それが評価や信用になるわけではない。

 

とはいえブログをしこしこと書いても読まれるのは一部の人だけなのだし、多くの人が価値を生み出せるわけでもないので、結局その辺はあれだろうけど。

(*現状、お金にはならないけど面倒見が良かったり人を気分良くさせる。みたいな人はそういう種類の価値を持っていて、それが何らかの方法で多少なりとも報われればいいなあ的な)

 

 

すぐに役立ちそうなことでは、「発展する経済システムの五つの要素」とか、そういうのもありました。

インセンティブ
 報酬が明確。素晴らしいと思うけど参加する気になれないのは、ここが欠けている。

リアルタイム
 時間によって状況が変化する

不確実性
 運と実力の両方の要素がある

ヒエラルキー
 秩序の可視化

コミュニケーション
 参加者が購入する場がある

これを覚えておけば人がハマる何かが創れそう。

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