この前の「現代物理学を学びたい人へ」の続きです。大学通信課程の文系学部の学生のための本とのこと。前回はこちら。
各章の項目は以下のとおり。
○原子
○古典力学
○波
○量子力学(波と粒子)
○量子力学と原子
○量子力学固有の現象
○宇宙物理の基本
○ビッグバン宇宙論
○星の一生
○特殊相対性理論
○一般相対性理論
前回、自分が気になった事柄をメモっていたら余りにも長くなってしまったので、二つに分けようと思ったらそれでも長くて(笑)最後までいきませんでした。今回は中編です。ほぼ宇宙の話です。
○宇宙物理の基本
宇宙の中身
惑星、恒星、高密度天体(白色矮星、中性子星、ブラックホール)、星間ガス(原子、分子)、星間ガス以外の既知の粒子(ニュートリノ等)、ダークマター、ダークエネルギー
距離スケールは光年(ly)0.9×10の16乗m、パーセク(1pc=3.3ly)
観測 可視光、それ以外の電磁波、荷電粒子(宇宙線)、ニュートリノ(カミオカンデはこれ)
→得られる情報は距離、明るさ(見かけの等級と絶対等級)、スペクトル、速度
距離 公転軌道の直径を通常は用いた三角法→遠いと角度がなくて測定不可に(数百光年、銀河の厚み程度が限界)
→遠いものは天体の種類、色や見かけの明るさと「同種類の天体は同じ絶対等級」という仮定から測定(個々の天体によりある程度の誤差は生じる)
天体の種類は主系列星(いわば普通の恒星)、変光星、銀河、超新星など
視線方向はドップラー効果で距離を測定(静止時の波長は天体のスペクトルから)
tips:アンティキティラの機械(ハンドルを回すと歯車の組み合わせで天体の運行を示す)
○ビッグバン宇宙論
オルバースのパラドックス(夜空はなぜ暗いのか。宇宙が一様で無限なら全体的に明るいはず)
ハッブルの法則 観測的事実 平均的に天体は地球から遠ざかっていて、その速さは天体までの距離に比例している(宇宙膨張) 別に地球が中心ではなく、どこでも同じに成り立つ
→宇宙は不変ではない
ではなぜ膨張するのか?重力で引き合うはずでは?
膨張し続けるor収縮する境目の宇宙の密度(脱出速度の様なイメージ):臨海密度
ダークエネルギーというものが存在するのでは?→観測により現在は宇宙全体のエネルギーの72%(他諸々研究中)(アインシュタインは初め宇宙は不変と考え宇宙定数を導入した。)
もし単純に同じ速さで膨張しているとすれば、逆に一点に近づく時間を考えると、計算式よりの概算で宇宙の年齢は136億年(実際は一定でないかもしれないので正確かは不明。最新の観測では137±2億年)
我々にとって宇宙は有限である。
ビッグバン宇宙論の根拠
・宇宙膨張(過去はより高密度で高温。ただ既知の物理法則で遡り推測できるのは1兆度程度まで冷えてから)
・宇宙背景放射 有限温度の物体の黒体放射。ビックバン宇宙初期のものが観測されていて他に自然な説明がない。宇宙の温度が一様にほぼ同じ。ビッグバン後晴れ上がり時点のものを観測。
・元素合成と存在比率 高温高密度の環境でどのように物質が作られるか 水素、重水素、ヘリウム4、わずかのヘリウム3、リチウムの原子核。他の物質はその後の恒星内で
未解決の問題 ビッグバン以前は? ビッグバンのきっかけは? 物質と反物質がアンバランスなのはなぜ? ダークマターの正体は?(未知の素粒子) ダークエネルギーの起源と詳細。インフレーション(初期の急激な指数関数的な膨張をした時期)
○星の一生
太陽(主系列星) 水素とヘリウム(比率はビッグバン宇宙と同じ 普通の恒星は宇宙の中の原子が集まっているので。だが惑星の構成は複雑)
核融合 原子の種類が変わる。太陽内では水素がヘリウムへ(重元素も生成される)。エネルギーは化学反応の100万倍程度のスケール。
核融合が起こる境目の質量は0.08Mo(Moは太陽質量)
大きいほど反応が激しく短命
恒星の質量 150Moの上限があると考えられている
0.01~0.08Moは褐色矮星(軽くて核融合が維持できなかった)
誕生 星間ガスが重力で集まる(残りが惑星に)
終わり 水素を使い果たす→自重が支えられず潰れる→重力と核エネルギーが解放→赤色巨星
→その後は質量が軽い順から 星間ガスが放出され白色矮星が残る<超新星爆発(超新星爆発で何も残らない<中性子星が残る<ブラックホールが残る)
上図は「現代物理学を学びたい人へ」より
「高密度天体」
白色矮星 電子の縮退圧で支えられている
中性子星 中性子の縮退圧で支えられている
ブラックホール 白色矮星、中性子星は質量限界がある。それより重い場合、自重が支えられず重力崩壊を起こす。
(縮退圧:フェルミ粒子なんちゃら)
超新星爆発は新しい星ではなく星の死でありタイプは幾つかある。
ブラックホール 重力が強すぎて天体からの脱出速度が光速より大きい暗い星(ダークスター)
シュヴァルツシルト半径(=重力半径。天体をこのサイズに縮めればブラックホールになる質量や光速、万有引力定数より算出される値)
降着円盤(クエーサーというのはこれだったかも説?)
ブラックホールは光が出て来ませんから最近あったブラックホールの撮影とは実際なんぞや?とぐぐりました
→ブラックホールによって曲げられこちらに向かって来た「ブラックホールシャドウ」を観測
ブラックホールの表面は「事象の地平面(Event Horizon)」と呼ばれる。うーん「ブラックホールシャドウ」かっちょいいw
ブラックホールの蒸発
量子力学的には実はブラックホールも黒体放射をしている。ホーキング放射と呼ばれ粒子が飛び出していることになる。よって寿命がある。
あと、小さいブラックホールは実験で作れる可能性がある(地球が吸い込まれる様なことはない)
○特殊相対性理論
○一般相対性理論
星の種類の理屈が分かりましたわ。
残りの相対性理論は後編に続きます(多分)
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