ミルの「自由論」第一章まで


本書のテーマは、いわゆる「哲学的な必然に対しての意志の自由」ではなく、「市民的な、社会的な自由」についてになります。逆に表現すると、個人に対して社会が正当に行使できる権力の性質や、その限界ということ。

”自由の名に値する唯一の自由は、他人の幸福を奪ったり、幸福を求める他人の努力を妨害したりしないかぎりにおいて、自分自身の幸福を自分なりの方法で追求する自由である。”

いきなり引用しましたが、他人の目にはどのように映ろうと、迷惑さえかけなければ自分にあった生き方で自由に暮らしていける。結果は引き受ける覚悟で自分の好きなことをする自由があるのが成熟した社会です。

なので少数派については擁護していて、多数派が圧力をかけてそれを改宗させるべきではない。

”「多数派の専制」は一般に社会が警戒すべき害悪の一つとされている。”

”社会の習慣と調和しない個性の発展を阻害し、できればそういう個性の形成をそのものを妨げようとする傾向、あらゆる人々の性格をむりやり社会の模範的な型どおりにしたがる傾向、これに対する防御が必要である。”

 

著者のミルはイギリスの哲学者ですが、欧米でもやはり社会の同調圧力というものはあるのですね。日本ほど強くはないと想像するのですが。

自分が楽しいと感じていても相手が100%同じに感じるかというと、性格や体質など人によって色々と違う。

 

具体的な例で身近なものが「飲み会に来ないとアレだよ攻撃」で、あれは実際どれくらいの割合の人が望んで行っているのだろう。「俺は飲んで楽しいからお前も飲め」というのが若い頃は非常に辛かった。どんどん注がれれば体質によって命にも関わることですし、今はそういう強制もだいぶマシになったとは思いますが。

まあ酒については、飲みたければ飲みますので放っておいてくださいということですね。

でもそれで仲間に入れなかったら自己責任と言われてしまう。仲間に入れないということは何かを得たときに分け前などをもらえないという事。なので自分の好きなように振る舞うには、ある程度の覚悟をしないといけない。

 

完璧に自給自足で生きていける場合は別ですが、社会の中で生きていくのに分け前が全く無いと困る。なので微妙なさじ加減を選ぶのだという気がします。誰もが自分の中で妥協案を考えるのだと思いますが。

自分の場合、分け前は時と場合であったりなかったりでいいので、「大体は従いますが、ある程度は自由にしますよ」という立ち位置で50歳前までやってきました。そして、「もういらねーので自分の好きにしますよ」というのが今の早めのリタイア生活ですね。後は野となれ山となれです(爆)

 

また、人間が個人としてであれ集団としてであれ、他の人間の行動に干渉するのが正当化されるのは、自衛のためである場合に限られるということを忘れてはいけません。他の人々に危害が及ぶのを防ぐために限られます。

互いに成熟した大人相手の場合ですが、相手にとって良いことだからとか、ためになるからというのは干渉する理由になりません。お勧めするのは問題ないけど強制するのは違う。

 

本書の目次を眺めると第一章でざくっと大まかに論じて、その後の各章で詳細を説明する形になっているようなので、とりあえずこれを書いてしまいました。

本当は全部読んで咀嚼して、また読み返してから書くというのが正解なのだと思うけど、常にそんなに真面目に読まなくていいし、深い頭でもないので、忘れないうちにさらっと表面だけでもメモったつもり。

 

人間は自分の意見や好みを、行動のルールとして人に押し付けたがる。干渉されるのが嫌な人は、他人に干渉するのもやめた方がいいですね。

自分が良いと思う生き方を他の人に強制するよりも、それぞれの好きな生き方を互いに認め合う方が、人類にとって遥かに有益。

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