思考の整理学「グライダー」


何年か前から文庫でよく見かけた「思考の整理学」。外山滋比古という方の1986年第一刷発行というかなり前の本です。

借りました。まだ読んでる途中ですが、最初の「グライダー」という章を読んでいきなり紹介したくなったので、先ずこれで一つ。

 

人間にはグライダー能力と飛行機能力とがある。両者は一人の人間の中に同居している。

学校はグライダー人間の訓練所。
飛行機人間はつくらない。

 

ここで言うグライダー人間は、引っ張られれば(目的を持たされたり、指導されれば)大空を優雅に滑空できるのですが、自力では飛べません。

一方、飛行機人間はエンジンがついているので自力で動けます。(まあ燃料が必要ですが)

 

グライダーの訓練に、エンジンのついた飛行機などが混じっていては迷惑する。危険だ。
学校では引っ張られるままに、どこへでもついていく従順さが尊重される。優等生はグライダーとして優秀なのである。

そういうことで学校では飛行機人間だと邪魔者です。何かを創り出す会社でなら飛行機人間の生きる場所もあると思いますが、そもそも飛行機人間というのは自分で何かを始めたくなるのでしょうね。

 

文中にも書かれていますが、今の世の中、グライダー人間をすっかりやめてしまうわけにもいきません。自分はグライダーだけれども、どうにか小型でもエンジンを搭載し引っ張られるのでなく自由に飛び回りたい。そういうことでしょ。

 

おま~け:

他、序盤で読んだ所まででブログに応用できること。
・思いついた事を寝かせる。
・順番は大事。

「寝かせる」は私にはとても必要なこと。思いついたらすぐ書いて投稿しちゃうから。まあそれはいいのですが、投稿後も頭の中に入れておき熟成させると別の視点から何か出てくるかもしれません。

順番については、例えば昔のLPレコードはランダム再生が出来ませんし、曲順には相当な意図があるわけです。文章も読む順番や組み合わせによって素晴らしくも駄にもなる。一記事の中の構成も重要だし、ブログなら投稿順によっても興味の持たれ方が異なるということはあると思います。

新しいものを捻り出すことはなかなか出来ません。なので既存のものを組み合わせる。材料の選択や構成が大事ということ。

ということで、この本も「グライダー」を一発目に持ってきたということは構成上の意味があるのですね。つかみはOKで引き込まれました。

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