思想家が現代の問題についてどのように考えているか紹介する本。
1章.世界の哲学者は今、何を考えているのか。
2章.IT革命は人類に何をもたらすのか
3章.バイオテクノロジーは「人間」をどこに導くのか
4章.資本主義は21世紀でも通用するのか
5章.人類が宗教を捨てることはありえないのか
6章.人類は地球を守らなくてはならないのか
が大きな項目です。
バイオテクノロジーの章なら、再生医療で寿命を延ばすこと、犯罪者にバイオ的な処置を施すことなどについて、どういう議論があるかというような内容。
資本主義の章では、格差が悪ということではないが、ある程度までは是正すべき(平等主義)という考え方、格差は許容できるが十分な生活ができない=貧困が問題(十分主義)という考え方を紹介しています。
格差に対しては累進課税などで縮小していく、貧困に対しては例えばベーシックインカムなどで救済となる。
十分性の学説によれば、「おカネに関して道徳的に重要なのは、誰もが十分にもつこと」です。皆が十分におカネがあれば、所得の多い少ない自体は考慮するほどのことではない。この場合は道徳的に重要なのは「格差」でなく「貧困」。
そもそも資本主義における「自由」ってなんだ?
4章はそんなようなことが書いてありました。1章は哲学の流れ(歴史)が書かれていますが、私には知らない言葉が多くてちょっと読み飛ばしてしまったorz
資本主義が極限まで無駄をそぎ落とし生産性を高めていけば「限界費用」がゼロに近づいていく(ストレージの費用とか電子書籍とか) 革新は資本主義のエンジンだがやがて日常化されて、次第に自動化されていく。
資本主義は成功することによって生き延びることができなくなるというシュムペーターの予言があったそう。今後どのようになっていくのか…上手いこと考えていってほしいわ。
4章で紹介されている本で面白そうだったのが、ジャック・アタリの「21世紀の歴史」というやつなのでメモ。
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