「しないことリスト」(pha著)を読みました


先日、新しく出版された「ひきこもらない」ではなく前のものですが、図書館で借りられました。

「しないこと」が一項目ずつ書かれているのですーっと読んでしまうのだけど、なんか色々と大変になった時に読み返したい本です。

 

世の中にはこれをしなきゃいけない、あれをしなくてはならないという情報が溢れていますが、本当に必要なものは実は少ない。不安を煽って何かを買わせようとしている場合が多いのでは?

しなければいけないことはなるべく少なくし、自分のしたいことだけやっていられたらいいのに…というのが根っこの考え方。

そのためにはどうすればいいか。自分の頭を使って本当に必要なことか考えればいいですよね。それには自分なりの価値観や評価基準が必要だし、他人のペースに巻き込まれないようにしなければいけません。

 

この本には36個の「別にしなくてもいいこと」が書かれていて、大きくは以下の四項目に整理されています。

「所有しないリスト」(環境をスッキリさせる)
「努力しないリスト」(行動をラクにする)
「自分のせいにしないリスト」(意識をラクにする)
「期待しないリスト」(人生をラクにする)

思うに、まじめな人に向けた、ガッチガチに考えず肩の力を抜いて生きようという処世術が詰まってる。

 

例えば、いいと思うのは「感情を殺さない」

ネットは「王様の耳はロバの耳」で、言いたいことを叫んですっきりする穴のようなものだ。

(弱音などの感情をSNSの裏アカウントで出すと、誰かが見てるかもしれないけど見てないかもしれない、返信も求めないので相手に負担感もなく気が楽になるの意。たまには感情を放出しよう)

 

他にも自分のせいにしないリストの中に「同じ土俵で戦わない」という項目があります。

それは働き方についてなのだけど、大雑把に働き方には二つある。

・特別なことはできないけれど、一つの場所で周囲と協調してやっていく(会社員など)
・何らかの技術を身につけて、それを頼りにいろいろな所を転々としながら生きる(フリーランスなど)

 

みんなと一緒に行動するのが苦じゃなければサラリーマンなど前者を選べば生活も安定していいし、何より多数派であるため生きやすい。この世は多数派のために設計されています。

でもそうじゃない人の場合、多数派のために作られた働き方の中では不利な闘いとなってしまう。同じ土俵で闘っても勝ち目はないので何とか自分に向いた場所を見つけようという論旨でした。

転々とするというと、さらしに包丁の板さんのような手に職のイメージを思い浮かべますが、何かそういうものを持っている人は強い。持ってないけど、それでも何とか合う場所を探していくしかないのでしょう。できれば闘わなくてもいい場所を見つけないとね。

 

この本と関係なくなりますが、「同じ土俵で戦わない」の中でもう一つ。フリーランス的なイメージもあるのでプログラマについての記述がありました。

そこにプログラミングについては、「これは精巧なプラモデルをちまちま作れるような根気が必要だ…」と表現されていて、確かにそう。

基本は「条件分岐」や「繰り返し」という単純なものしかありません。それを使って細かい部品を作り組み合わせて行く作業です。

思ったように動作しないことも多いし、その原因が一見関係ない(と思われる)所にあったりします。根気は必要だと思いますよ。好きじゃなければ続かない作業の一つ。

 

プログラマとして就職するときに、他の仕事より人と関わらなくても良さそうとは思ってました。

制作中はそうですが、初めは営業がいなかったので自分で客先に用件を聞きに行ったり、完成後(という名の張りぼてw)の操作説明をしに行くということは多々ありました。なので出張がいやなイメージに(笑)

Windows時代になってもまだパソコンは普及していなかったので、自社ソフトの説明の時はWindows自体の操作説明も避けられません。Microsoftのために随分ボランティアをしたと思ってますw

また脱線しました。

 

あまり内容を書いてもいけませんが、他にも「インベスターZ」の”つまらない映画を途中でやめられるか”というエピソードを引き合いに出し、サンクコストの話などしていました。

”長年やってきたことでも面倒と感じるなら惰性で続けないように”など、自分の旧ブログで退職時に指針として考えたことと重なるものもあり、かなりの部分が腑に落ちます。

 

「おわりに」でphaさんが本書より前の著作について内容をまとめていました。

ニートの歩き方
できるだけ働きたくない人を対象にして、ネットをうまく活用してお金に頼らず生きていくための実践法や思想について書いた本

持たない幸福論」(このブログ内に紹介記事あり)
この社会で疲れている人すべてを対象に、社会の中で当然視されている「労働」「家族」「お金」について、別の視点から根本的に捉え直す方法を探っていくという本

 

どの本も「できるだけ、ラクに、自由に生きていくにはどうしたらいいか」というのが共通したテーマ。興味があれば読んでみては如何でしょうか。

 

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