45歳で有名広告代理店を早期退職したキョウコが、古いアパートで暮らすれんげ荘シリーズの三作目。
『れんげ荘』、『働かないの』ときて、今回は『ネコと昼寝』というタイトル。
本当に早期退職とネコは相性が良い。
読み始め、キョウコの母は考え方が旧態依然な人という設定をすっかり忘れていました。
そしていきなりれんげ荘に警官が尋ねてきます。何か事件でも起きたのか?
開始から、もう安定の早期リタイア生活という感じ。リタイア生活を続け、何かにつけ大分枯れて来た状態ではなかろうか。図書館と古本屋とスーパーくらいにしか出かけない日々。
主人公のキョウコも、ちょっとそれでいいのかと考えたりはします。もう少し日々に潤いがあった方がいいのでは?と思ったり、ちょっと迷走?も。
だけど、経済的に限りある中で生活の楽しみを見つけるとか、会社員時代の嫌な思いは今はどうでもよく自分のこれからの方がずっと大事だとか、貯金取り崩し生活でバイトした方がいいのかと悩んだり、早期退職で思うことは似たようなもの。
自分は仕事を辞め好き勝手にしているのに、そんな自分を思いやってくれる人がいると申し訳なくなる、というのも同じかな。
クマガイさんは安定の達観ぶりだし、タイトル通り、本作ではネコがかなりキーパーソンだ。(いや、キーキャットかw)
これを読んでいるセミリタイア関係者には、これからこの本を読む人もいるだろうから肝心のストーリー内容は書かないようw
でも、それっぽい部分を引用しておきます。
世の中のイメージというのは恐ろしい。社会的に名の通った会社で働いているというと、実際は人間関係や仕事で疲弊していたのに、優秀で溌剌とした女性のように誤解される。
そのときに比べれば、収入はゼロになったにせよ、はるかに体調も良くなって、精神的に満足しているのに、気の毒な人生を送っているように思われる。
社会というか人が無意識のうちに決めている、年齢とか仕事とか、住居の広さとか、それからずれていると不幸だといわれる。人間の心は昔のまま進歩もなく、枠に入れたり、枠に入っていると安心といった感覚のままなのだ。
あと、
今までの暮らしではわからないことがたくさんあった。
そんな所に住んで…、働かないでよく平気…と蔑まれるようなことをいわれても、生活ランクを落としたことで、逆にそんな生活を楽しめるようになったのは事実。
でもそういうことを理解できない人たちは、やせ我慢などというに違いない。
端折った文章で引用ではありませんが、この辺りの旨には我が意を得たりですね。
群さんはセミリタイアブログを読んでいるんじゃないかという程に共感する部分がありました。
れんげ荘シリーズは特にストーリーが無いようでいて、でも世の中に対応できない住人とか、少ないかもしれないけど早期・セミリタイア系のエッセンスが詰まっているというのはある。多分、バイタリティーに溢れバリバリ働きたいような人には興味をそそられない本なのだろうな。
最後の部分、ネタバレなので書けないけれど、これも心情は分かる。というか、これで終わりなのか?
また、書きすぎた気がする。
札幌だと大分待ち人数がいて借りられず(引っ越す前、たしかあと数人くらいでした。おしい)、地元に戻ってから借りました。
猫については、親がいなくなれば実家に住んで飼うという手があります。現状で家の中は既にボロいから気にならないし。そもそも介護で家の中がどうなるか見当もつかんしね。
「移住」と「ネコ」と、私も色々と今後の構想を妄想しながら生活していくことにします。
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