「自分の人生、これでいいのか」と思ったとき(川北義則)を読んだよ


今日はこれを読んだよ。中年の危機、いわゆるミッドライフ・クライシスを乗り越える為の本です。

ミッドライフ・クライシスとは、人生も半分を折り返し、自分の人生はこれでよかったのか、他の生き方もあったのではないか、そういうことを考えてしまうこと。とにかく心の中で人生観や価値観などについて葛藤してしまうのだ。

 

きっかけとして、体力面や自分の見た目の衰えを感じ始めることが要因の一つではあります。

今まで何事も成してこなかったのにもう人生も後半に入ってしまった。一体自分は何をやってきたんだと情けなさに愕然としてしまい、心が折れそうになるという気持ち。

人生の中盤で後悔や無力感、焦燥感を感じることは多くの人に訪れることでしょうね。

 

毎日のんびりと本を読んだり映画やドラマを観たり、自分はもう十分これでいいのだけど(あとは猫です)、それでもたまにこれでよかったのかなあと思う時もある。なのでこの本を読んでみました。

一般的な人生訓が読みやすいエッセイに含まれるという感じの本かな。特に会社勤めで苦労している人には、四章の”「これでいいのだ」といえる人生”が染みそう。

 

エッセンスとしては今まで何度か書いていますが、若かった頃の価値観から自由になり、新しく自分なりの価値観を見つけて生きていこうということ。他人からの評価を気にしたり、他人の基準で生きることはやめよう。

 

早期リタイアもその基準の一つでしょうね。

定年を待たずに会社を辞める選択をした人は、かなり哲学的なことや自分の人生の基準などについて悩んだはずです。

なのでそういうことは自己解決済みでミッドライフ・クライシスに陥ることは少ないかもしれないが、それでも自分のために使える時間があまりに多くなり無駄にしてしまっていると感じることはありそう。無駄でいいじゃんでいいのですけどね。体力的な問題から、何かやるならラストチャンスと感じてしまうことはあるでしょう。

 

特に退職後何年かすれば、自分はこのまま「う○こ製造機」としてただ死ぬのを待っているだけではないのかと感じる場合もありますよ。

まあ、そういう感じで早期リタイアが自分の人生でどうだったのか悩み初めてしまった頃に再度考え直すきっかけになる本かもしれない。

もちろん、現状維持でもいいし、何か思うところあればその時点で始めればいいことです。

 

ミッドライフ・クライシスを迎える四十代、五十代について、『レ・ミゼラブル』で有名なヴィクトル・ユーゴーの言葉があるそう。

「四十歳は青年の老年期であり、五十歳は老年の青春期である」

まさしく、ちょうど今これを感じていますよ。

ただこれは、平均寿命も長くなっているので十年くらい後にシフトしてもいいかもしれません。子供と大人の中間くらいの年齢がどっち付かずでおいしいのと同様、しばらくは青年と老年のおいしいとこ取りでいけるかも(笑)

 

最後に。

著者は人生が上手くいって仕事も好きで自信があり立派な人なのでしょう。

ただ正直言って、こういった紙の本を出せるような立派な価値観を持つ人の話ではなく、普通の人やダメダメ人間のクライシスの方がよっぽど深刻なのだから、そういう人の話こそ聞いてみたい。本に書かれた教訓というのは、皆分かっているけど多くの人が実践するには難しいことなのだ。

そういった話を聞くには、一般人が格好つけずに自分のことを語っているブログなどがいいと思われ……

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