押見修造『漂流ネットカフェ』全七巻(の今半分)感想


皆さんは御存じでしょうか。楳図かずおの『漂流教室』という漫画を。

子供の頃に読んだ漫画です。大人になって読み返した程の印象深いもの。

 

学校ごとどこかの異空間に飛ばされて、大きな子供が小さな子供を助けながら生き抜く為に、また元の世界に戻るために奮闘するという話であるよ。

ちなみに結末は全く覚えてませんw 恐怖のチキンジョージが出てくるやつってこれじゃないですよね?

 

そこで、今回は『漂流ネットカフェ』なのです。『惡の華』でお馴染み押見修造氏の作品。

押見修造は『惡の華』、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』、『僕は麻里の中』を読んでいます。『ハピネス』は残念ながらまだ途中ですが。

 

『漂流ネットカフェ』は想像すると、『漂流教室』では子供だった登場人物がネットカフェに集う人たちなので子供じゃない。大人も女子もいる。加えてネットがあったり携帯があったりと今風になったものかなというイメージを持って読み始めました。

途中まで読んで大体その通りだったのだけど、予想されるように暴力を振るう奴が現れて権力闘争が始まる。当然ながら暴力で皆を従わせようという奴は女子がいればどうにかしようと考えますよ。(エロ要素)

 

登場人物はといえば、普通のサラリーマンの主人公、オカルティスト、合コンの大学生、バイト店員、ネカフェ難民、ネット依存、カップル、サラリーマンの先輩後輩などというラインナップ。

主人公はちょっと情けない感じの人物。ただ中学生時代の初恋の相手で心残りな想い出がある女子と偶然ネットカフェで出会ったというのが、この『漂流ネットカフェ』のミソみたいなもんです。(まだ読んだのは半分だけど、多分…)

 

ネットカフェごと何処かに飛んだのか、はたまた時空を超えたのか、周囲を調べても何も無いという状況で、初めは意外と何もせず各ブースに大人しく引っ込んでいたりして。

 

食べ物や飲み物はカフェの在庫がしばらくあるという状況みたい。(だから舞台がネットカフェなのかな。暇はマンガで潰せるし…そういう状況じゃないか)

でもそれもいずれは底をつくし、まともな人が少なくてリーダーシップを執れるような人物がおらず、計画的な管理や行動ができずに皆イライラしてくる。

また暴力的な人間が意外と狡猾で、誰を信じたらいいか振り回される。というような状況になっていきます。

そして、元の世界に戻ろうとする者、暴力やエロで皆を支配しようとする者、現実逃避する者、気がふれてくる者と登場人物の性質が見えてくる。

 

と、まあ『漂流教室』という土台があれば、この辺りまでは何となく想像がつくと思いますが、その後どうなるのか。

 

途中まで読んだ時点では、漂流した先にSF的に世界が広がっていて探索どうこうという物語じゃありません。あくまで極限状態での人間関係の機微の話のような気がします。

なんとなく中学時代の女子との話に終始してしまう感もありますが、続きを読んでみたいと思います。

いつも長いからたまには続くパターンにしてみたお

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