読書「現代物理学を学びたい人へ」後編


この前の「現代物理学を学びたい人へ」の続きです。大学通信課程の文系学部の学生のための本とのこと。
前回はこちら前々回はこちら。前前前回はありませんw)

 

各章の項目は以下のとおり。

○原子
○古典力学
○波
○量子力学(波と粒子)
○量子力学と原子
○量子力学固有の現象
○宇宙物理の基本
○ビッグバン宇宙論
○星の一生
○特殊相対性理論
○一般相対性理論

 

前回の続きからで、今回は以下をメモ

○特殊相対性理論

特殊相対性理論:真空中の光速に近い物体を取り扱う理論
一般相対性理論:「特殊」は特殊な場合なので、それを広げ重力も含め一般的にした理論

ガリレイの相対性、ガリレイ変改

相対性の考え方
・動いているか止まっているかは相対的な意味しかもたない
・どの系でも物理法則は同じ(同じなのは物理法則で、物理現象ではない)
・誰でも自分が静止していると思ってよい(その方が考えやすい)
・実験で動いているか静止しているかは特定出来ない

特殊相対性理論
1.物理法則の普遍性 全ての慣性系で物理法則は同じ
2.光速の普遍性 全ての慣性系で真空中の光速は同じでc(=3.0×10の8乗m/s)

光速の有限性(1676年レーマーが確立。木星の衛星イオの観測で隠れるのが送れることから)
マイケルソンーモーリーの実験 光速の方向による速さを測定しようとした

それまでは時間を絶対的と考えていた。しかし真空中の光速ことが物理法則の一部で、どの慣性系でも同じ。そうなると時間は慣性系に依存するということに。

真空中の光の往復を考えると、自分からみて、A(止まっている)B(等速直線運動)人で経過時間を計算すると、速度(光速c)は同じなのに距離が変わる。これは同じ現象を見た時、系によって時間が異なるということ。

「動いている人の時間はゆっくり進む。」
ただしA、Bのどちら側からみても相手がそう見える。
(矛盾しているように見えるが、そもそも同位置にいないと時刻を合わせられず、時間間隔を得るには2回時刻を測定する必要があり、静止している2つの時計と比べる必要がある。双子の浦島効果の話は往復する方が加速などするため慣性系にいなくなる?)

時間が遅れる実例
μ粒子 不安定で発生する場所を考えると光速で移動したとしても地表に到達する前に消滅してしまうが、実際は地表で観測できる。→μ粒子の時間が遅れている

逆にμが静止している系で計算すると地表までの距離が違う
→ローレンツ収縮 速さvで動いている物体の持つ進行方向の長さは√(1-v2乗/c2乗)倍に縮む。(vが光速に近くなると1じゃなくなってくる)

GPSでは4つの衛星から受信する。位置x,y,zと時刻tの4つの未知数があるから。衛星の原子時計の精度と光速から距離の精度が1mほどということ。(相対性理論の影響を考慮しないと機能しない)

 

直感の範囲では速度が合成される。あとF=maで力を加えると加速し続ける。しかし実際は光速を越えることはない。

mは慣性質量でm0は静止質量。

質量欠損:エネルギー保存則より、反応でエネルギーが生じると反応前後の静止質量は等しくない
化学の質量保存則→実際はエネルギー保存則(通常測定できる範囲内では質量変化を検知できない) 核反応や素粒子反応では質量欠損が大きい

時空間の概念が必要。時間と空間を分けることに絶対的な意味はない。
ガリレイ変換→ローレンツ変換

cより早い情報伝達がない限り、特殊相対性理論では因果律は守られる。

○一般相対性理論

特殊相対性理論を一般化。
慣性系だけでなくあらゆる系で検証。等速直線運動だけでなく加速度のある系も含め(重力も同様に考えられる)。

『等価原理』
自由落下している人は自分の重さを感じない。無重力状態にあるということは、慣性系で何も力が働いてない状態で静止しているのと同じだ。
重力は加速している系で静止している物体に働く力と同様。
(*加速度が同じというか、変化しないこと)

 

重力場の下では光は曲がって進む
重力レンズ
光の赤方偏移(重力による。ドップラー効果によるものとは区別)
重力場では下の方が時間の流れが遅い

天体の軌道を正確に求める際には、一般相対性理論の影響は重要。人工衛星の軌道制御にも必要。

重力波
電磁場には電磁波があるのと同様、重力場には重力波が存在する。
直接は未検出(重力は他の力と比べると弱いので検出しにくいが理論的には確立されている)

潮汐力
海面の満ち引きは太陽の潮汐力にも影響されるが、月の数割程度。太陽の影響もあるので大潮、小潮がある。

 

うーん。「一般」になると、こりゃもうわからん理解不能ですね。重要な「等価原理」という概念が今イチピント来ないので、あとはそういうものかと思って読むしかなかったです。「特殊」の方は移動した場合の三角形の距離から何となくイメージ出来る気がしますが。

あと、巻末の附録で数学や物理・化学をちょこっと復習できるのが有り難いです。自分で計算出来るまでは思い出せないけど。

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