読書「現代物理学を学びたい人へ」前半


青木健一郎氏による、大学通信課程の文系学部の学生のための本とのこと。

内容については広く浅くというより、幾つかの分野に焦点を当てて掘り下げたものと書かれています。

 

個人的に、歴史を読むよりこちらの方が眠くなりません。性能の良い頭ではないのでしっかり理解できるわけではありませんが何となく面白い。

(歴史ってどこまでが事実かわからないけど、世界史通史を読むだけで欧米って酷いなあとなりません? 大航海時代とか。まあ昔のことはあれですが)

 

しかし記憶力がアレで、こういう知識系の本を読んでもすぐに忘れてしまっていけません。ブログにある程度内容を書いておけば、どういう本だったかという手がかりにはなるので、たまにこうやって書いているのですが。

 

でも量子力学なんて日常の感覚と異なるので、もやっとした概念はそういうものかと思えても、じゃあこういう時はどうなるのかと言われてもやっぱわからんですよね。

電子レベルまで考慮した場合の力学なんだなというのはわかるのですが。重力じゃなくて電磁気力が幅をきかせる世界。(昔聞いた話では、あと弱い力、強い力というのがあるらしいですが)

 

各章の項目は以下のとおりです。

○原子
○古典力学
○波
○量子力学(波と粒子)
○量子力学と原子
○量子力学固有の現象
○宇宙物理の基本
○ビッグバン宇宙論
○星の一生
○特殊相対性理論
○一般相対性理論

 

以下は自分用のざくっとしたメモです。

○原子

アボガドロ定数
エネルギーは保存される(熱力学第一法則)
時間とともに全体のエントロピーは増加する(第二)
温度とは?
微視的な1自由度あたりの平均の運動エネルギー。運動エネルギーは絶対温度に対応
ボルツマン定数
ブラウン運動

○古典力学

量子力学の影響を考慮しない物理学の法則。
ニュートンの法則3つ。慣性、ニュートンの運動方程式(F=ma F:力、m:質量、a:加速度)、作用反作用
力を加えなければ加速度は0とも言える
万有引力
ケプラーの法則
決定論とカオス(ポアンカレ、ローレンツ)

○波

媒質、速さv、波長λ、振動数f v=fλ
音や光(光は波と粒子の両方の性質を持つ)
音程:オクターブ振動数2倍
光:ざっくり電磁波の中の可視な部分。真空中でも伝搬する。媒質は?粒子光子
波長で変化 音→高低、光→色
「干渉」
重ね合わせ、同位相、逆位相、定在波、うなり
2重スリット(ヤング)→発展形 回折格子
コヒーレンス長(干渉する最大の光路長の差)? 照射した波の波長より小さい構造は見分けられない→光学顕微鏡で原子を見られない理由
「回折」
指向性、回折限界
レイリー限界
角度分解能:あるレンズなどで回折限界により1点に見えるはずの星がぼやけてしまう限界
望遠鏡を大きく→集光以外にも角度分解能を上げる意味がある
(実は視力は角度分解能の逆数)

○量子力学(波と粒子)

光電効果(ヘルツ 金属に光をあてると電子が飛び出す)
光量子仮説(アインシュタイン) 光が物体と受け渡しするエネルギーはhvの整数倍である(h:プランク定数 v:光の振動数)
光は粒子(光子、フォトン)の流れ、粒子一個のエネルギーはhv。
コンプトン散乱
黒体放射
物質波 あらゆる物質は波の性質も持っている ド・ブロイ

2重スリット実験で電子は干渉する。波の性質も持っている。古典力学の粒子の性質と矛盾。しかし光をあてて観測すると干渉しない。見る見ないで結果が異なる。観測の影響が無視できない。(古典力学でも実際は観測の影響を与えているが無視できる場合が古典力学)

物質波の波長λ=h/mv=h/p(hプランク定数、m質量、v速度)より計算するとボールを投げたときの波長は小さすぎて無視できるが電子の波長は無視できない

古典極限 物質波の波長が無視できるほど小さくなる状況では、量子力学で波の性質が認識できなくなり古典力学と同じになる。
不確定性、量子限界 測定の限界、自然界の限界

○量子力学と原子

原子は原子核がほぼ質量。原子を部屋サイズ(~10m)とすれば原子核はゴマ粒みたいなもの。
ラザフォード散乱 質量が点状に集中

位置エネルギーと電磁気的エネルギー 電磁気力より重力の方が桁違いに弱い。重力が原子構造に与える影響は無視できるほど。

古典力学では下に落ちている状態が安定(基底状態=最低エネルギー状態)。
量子力学は原子核に電子がくっつく(落ちている)状態が安定ではない。

不確定性原理から求めると、エネルギー最低状態は不確定性から広がりがあり(ボーア半径)、それが原子の大きさ。電子がある程度の距離を保っている状態が安定しているということ(特に惑星の様に回っているわけではなく確率的に分布している)

ボーア半径 電子の負荷と質量から決まる。どの原子もサイズは同じオーダー(桁が変わるほどの違いはない)。

量子力学的粒子のとるエネルギーは離散的(とびとび)
励起状態(れいき)→基底状態の反対、エネルギーを持つ状態。原子の状態遷移に伴い光子が放出される。しかし離散的→スペクトル(輝線・吸収)
恒星のスペクトルの欠けている波長 フラウンホーファー線(吸収された部分が見えない)

○量子力学固有の現象

トンネル効果 物体の持つエネルギーより高いエネルギー障壁があっても、一定の確率で障壁の反対側に到達する現象(透過するように見える)

古典力学では例えば壁を抜けるのに必要なエネルギーがあるかないかだが、量子力学ではエネルギーがあっても反射する場合があるし、無くても透過する場合がある。そんで、そういう事が無視できないほど起こる。

古典は初期値から全て動きが決まっているので決定論的、量子は不確定性から確率論的。

波動関数の収縮と非局所性 2重スリットで観測すると干渉がなくなってしまうやつ。
観測が影響を与えてしまう→観測の理論。懐疑的なアインシュタイン、ボーアが解決。量子力学の理解が深まる。

原子核のα崩壊
量子力学って不思議 EPRパラドックス、シュレディンガーの猫

応用は?
量子情報 1量子ビット(qubit)a|↑>+b|↓> a,b;複素数(うーんわからん) a,bどちらの状態もあり重ね合わせがある 情報を読み出すために観測すると重ね合わせでなく一方の状態になる

量子テレポーテーション 量子状態を離れた場所で再現(あくまで微視的)

量子鍵配送 盗聴されても安心。←測定で量子状態が失われ再測定できないので正しく読めたかわからない

量子コンピュータ 大きな数の素因数分解のような指数関数的に計算が長くなる問題が、多項式的にしか計算が長くならない、ショアのアルゴリズム

アインシュタイン 量子力学なんか変→もっと統一された大きな理論の一部なのではないか?現在研究中(超弦理論とかで)

○宇宙物理の基本
○ビッグバン宇宙論
○星の一生
○特殊相対性理論
○一般相対性理論

 

ざくっと書いたメモが長くなってしまったので、宇宙物理以降は後半に続きます。(多分)

私、大学ではあまり授業に出てないし、高校で習うのは古典力学とか波の辺りまでですよね。

量子力学のさわりとか高校でもざくっと概念として入れた方が、波と粒子の性質を持つってのがイメージしやすくなりませんかね。と思いました。

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