「作詞少女」を読んでみた


前半は、多分初心者向きのテクニック的なこと。

友人のバンドメンバーから、先に曲がある状態で歌詞を付けて欲しいと頼まれたJKに、現在作詞家として活動している別のJKがあれこれ教えていくという体裁になっています。

ラノベ形式でどんどん話が進み、まったく作詞のことを知らない私でも、楽しみながら「そういう方法があるのか!」と勉強になりました。

 

後半は作詞というより、何かを創作する人に向けての心構えというか、エールな気がします。

例えばスポーツの選手は毎日厳しい練習をしてますよね。あそこまで到達するのは自分には無理だと思える。でも作詞は一見出来そうな気がしてしまう。しかし、そんなはずはなくて、自分の心の深部に迫っていくことがスポーツの練習に対する、創作する人の修行なのかなと。

そこが多分この本の肝なのですが、自分という人間の弱い部分、わるいところを知り、そこと向き合いながら、それでも伝えたいことを伝えていくという。

 

しかし歌詞というのは人間の心を扱うのだから、先ずは人間というものの正体を知る必要がある。

読むべきもの
歴史、古典落語の本:今も昔も、人間の考えることはそう変わらない
宗教の本:人間の価値観はそれぞれ違う
詐欺の本:心理を研究している悪のプロ側から見る

「人間は変わらない」
「人間は個々に違う」
「認めたくない心の闇を抱えている」

ラブソングでいえば「普遍性」「違い」「誤魔化し」

 

売れる曲は「いい曲」ではなく、聞き手にとって「都合のいい曲」。泣きたいときに泣けて、頑張りたい時に勇気をもらえて、疲れた時には癒してくれる曲。

読書も同じですが、人は自分を肯定してくれるものを探したり、都合のいい部分だけを抜き出して自分にいいように解釈したりします。

ただ、それが良い悪いではなくて、もちろん自分が本当に伝えたいことを書ければいいのだけれども、一つ自分が譲れない部分さえ守れば、人が欲しているものを生み出すのも一つの道ではある、ということは感じられました。

 

しばらくブログを書いていると、どういった内容ならPVが増えるとか、明確に言語化していなくても何となくは感じてきます。もちろんどういった人たちに向けて書いているかにもよりますが。そこからPVを増やす方向で楽しむ人もいるし、書きたいことをメインにしている人もいるでしょう。

この投稿のような音楽系の話は元々のセミリタイア関係の人はほぼ興味ないのよねw 申し訳ないっす、私も書き始めたのは最近のロックスミス以降ですし。あと、「創作が恥ずかしいのは、自分らしいから」というのを覚えておきたい。

 

この本にあるココロノート(色々と内面の恥ずかしいことを書いたやつ)みたいなものも、若い頃も全然書いてなく、自分はそういう内から出てくるものが無いんだなと改めて知らされました。

ブログ以前は何も書いたことはなかったんですが、特に昔はそういうのを馬鹿にする風潮はありましたもんね。今の若い人はわりと表現することに抵抗がなくなってきてる感じはしますけど。

 

ラノベというだけで受け付けない人もいそうだけど、後半まで読んでみると、意外と真理だよなという内容。むしろ言いにくいことを重苦しくならず言うためにラノベ形式を選んだ気がします。

後半が自己啓発といえばそうかもしれないけど、作詞素人には前半の技術的なことだけでも十分参考になりそうな気はします。そこで立ち止まるか、後半でいう(自分の深淵に向かうような)暗い迷路に迷い込むかですね。

読んだだけで、実際に作業したわけじゃないのであれなんですけど。

 

本書はボーカロイド関連で知りました。これの作曲版(作曲少女)もあるのでまたそのうち読んでみます。(出版はそっちの方が先だったらしい)

(*追記:「作曲少女」も読みました。感想はこちら

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