”幾ら稼いだか”。それだけが評価となる学園のお話。期間限定無料で読めた1巻の内容は、そこそこネタバレしてます。
主人公は「市場(いちば)クロガネ」という財閥の御曹司。彼は周囲が全てやってくれるような至れり尽くせりの生活を抜けだし、自分の可能性を試そうとする。
舞台に選んだのは「学円園学園(がくえんぞのがくえん)」。総生徒数30万人を超える巨大校である。というのも一つの島全体が丸ごと学校施設なのです。
そして「学円園学園」には偏差値も内申書ない。「学園内で稼いだ金額」だけが評価となる学校なのでした。
校内は学園内通貨、その名も「学円」が流通し、それ以外の決済手段は認められません(経済的には治外法権に近いものはある) 進級や卒業も稼いだ「学円」次第。
それは元々の貧富の差が不平等にならないためで、「日本円」などは持ち込めません。所持していると校則により没収。
生徒は基本的には部活に入部したり、部活を自ら興したりして学園内通貨を稼ぎます。初期費用としては入試の点数が稼ぎとして「学円」になったり、もちろん他にも稼ぐ手段は幾つも出てくるはず。
一般社会でいうと、学円園の部活が企業みたいな感じ。学円鉄道部や土建部、テストの予想屋、学食部のような部がとりあえずあるみたい。
「学円園上場部」という部活もあるようで、新入生歓迎行事の日は平均株価も17円高でしたw (あと、最後の砦には「質屋部」ってのもあるしな)
まあ、そんなような学園なのです。
市場クロガネは、その学円園に、人を見抜く能力があるという黄金の神の左目(彼はオッドアイだ)と共に乗り込みました。
しかし、学園通貨以外の決済手段を島内(島全体が校内)に持ち込んだ彼に、とんでもない罰が待っていた。
クロガネは祖父の形見のクレジットカードを財布に入れていたため、登校当初から罰金を科せられてしまう。しかもカードが限度額無制限のブラックでした。罰金は所持金と同等というルールにより、最大額の「一億学円」という借金を背負ってしまう。
祖父は亡くなっていて現在は無効なカードなのですが、許されませんでした……
そういった処分を決めるのは、生徒会長の「朝政(あさまつり)ハガネ」という女生徒。
彼女は歴代ナンバーワンという評価を受けるほど、学円園学園を改革し繁栄を維持してきた。
ただ、過去の事件から人を頼らず何事も自分一人で解決するようになっていて、それが以後、学園リーダーの彼女には解決すべきテーマとして一つあると思います。
もちろん朝政ハガネは能力的にオールマイティで、何事もテキパキこなしてしまう。でも「一人でできることは限られるが、仲間がいればやれることは無限大だ」みたいなあれ。
過去の事件をネタバレしてしまうと、生徒会は一般社会ではいわゆる公務員のようなもの。怠けても一定の収入はあると生徒会役員が楽をしたがったw(ハガネは自分ができるものだから働かせすぎたのよ)
ハガネは全員を解雇し、一人で生徒会の仕事をすることになるというのが顛末。
市場クロガネは自分の「人の能力を見抜く」という能力から、ある部活を興そうと目論みます。彼は莫大な借金を背負って他の部活に入部することが困難でもある。
ハガネが疲労しているのを見て取ったクロガネは、生徒会長が一人で生徒会を運営していることを知り、生徒会にふさわしい人材を紹介する代わりに、自分が興す部活に出資してくれと交渉しにいく…さてどうなる。
みたいな所で1巻が終わっています。
その前に、潰れそうなボロい学食部活の部長と出会って料理の才を見抜き、「どうやっても稼げない奴もいるんだよ」と腐っていた生徒の接客の才能と引き合わせ復活させるとか、そういうエピソードはありましたけども。
(1巻を読んだだけですが)ひと言でいうと世の中の経済や資本主義的なことを、萌え系の絵でコミカルに学園生活に置き換えて楽しむようなマンガではないかと。
クロガネはクールに思考しつつも、交渉し取引し、埋もれていた才能を発掘する。ほのぼのとする部分もあり、インベスターZとはまた違う系統でギャグよりだと思うけど。
13巻で完結。続きが気になるので読みたいリストに入れておこうと思います。
作者は「梧桐柾木」氏。
これは経済活動に興味が強いセミリタイア関係者にはそこそこの面白さがあると思うんですが、まあ1巻だけであれこれ書きすぎ。
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