筒井康隆のジュブナイルのシリーズというか、「時をかける少女」などより更に子供向けの物語。
子供目線で書かれ、最初は子供同士の公園を巡る喧嘩だったのが徐々にエスカレートして大人達へと飛び火していく。
最終的に団地と住宅街の戦いになるわけだが、戦いが始まったと思うと皆あっという間にバラバラ死体になっているのは筒井さんらしい。
戦争はほんの些細なことで始まるが、始まってしまうともうどうしようもなく悲劇の中だ。
子供には少し残酷な描写があるかもしれないが、この本は、筒井先生が子供達に向けて、「いつの時代も戦争は不幸な結果に終わる」こと、また「こと戦争に関しては勝者などいない」ことを伝えようと、1971年に創作童話として出版されたものの改版です。
他、宇宙から来たケイ素生物が銅像やら大仏やらを動くようにしてしまう話、赤ちゃんが巨大になってしまう話などSF童話的な形で子供を読書好きにする目論見があります。
ただ子供向けという体ですが、大人が読んだ方がいいでしょうね。
妄想だけど戦争について考えるのは、圧倒的な高性能のバリアがあれば撃たれても余裕だ。まともな大人が子供と喧嘩しないのは圧倒的な力の差があるからだ。
バリアというものは相手に脅威を与えず身を守れる所がいい。
バリアの実現方法は思いつかないが、バリアというものを人間が思いついた以上はいつか開発される日が来るかもしれない。
その時にバリアを持った方がまともで、バリアを無効化する技術が開発される前に不満を持つ人々を少なくしていく努力をして欲しいですね。またイタチごっこになってしまいますから。
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