読書「都市の世界史」


先日、コンスタンティノープルの本を読んで「都市」について興味が出てきました。

この本は各都市においてどのような歴史の流れがあったかを解説するもの。いつ頃、もしくは誰が始めて、何の王朝があって、どのように権力が移り変わったか等。

選ばれているのはイスタンブール、デリー、カイロ、サマルカンド、北京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、ローマです。

FF10でザナルカンドというのが出てきますが、あれはサマルカンドから持ってきているでしょ。この本でイスカンダル(宇宙戦艦ヤマトの星の名)はペルシャ語でアレキサンドロスのことだと知った。

 

比較的平和な時代が続くこともあれば、寒冷化で北から人が南下して来たりする。遊牧民もやってくる。様々な民族が入り乱れるし、各都市ともそういう荒波にもまれて来たのだなあと遠い目になりますね。

そりゃあ民族的に抜け目がなくなったりずる賢くなったりするわけです。そうしないと生きていけないというか、そうなった人々が残ってきたということでしょうから。

 

ローマ帝国、キリスト教、イスラム帝国等、かつての時代へのロマンを感じると共に、荘厳な建築などは権力者がはったりをかますためのものであり、現在でもそういう仕掛けに一般庶民は騙されているのだよなあということも感じました。

自分を律して人民の事を考えるリーダーもいますが、やはり人間の考えることは欲望や嫉妬が元になっていたりする。そういう歴史に学んで人心を掌握するぞという人には歴史を知ることは非常に有用なんだろうけど、人間自体に興味が無い人は科学的な真理みたいなのを追究していた方が(そっち側の本を読んだ方が)時間の無駄にならんなということも感じました。マル。

 

しかし海外の古い都市は色々な宗教や文化の影響をそれぞれの時代によって受けていて、建築様式も様々だったり興味深いし、やはり思いを馳せるにはもってこいですね。行ってみたくもなります。それを考えるとグーグルマップは素晴らしい。

 

本は前半は太古のロマンを感じるし、後半のロンドン、パリなどはTips的な話が散見されて面白いです。

解釈や歴史的観点から出来事の認識が変わっていくことは珍しくないと思いますが、今は清教徒革命でなく三王国戦争というらしい。そしてルテティアやロンディニウム等、いにしえの都市の原型には「へえー」って感じ。

 

インドに関してはデリーとニューデリー、オールドデリーとあってわからん。私は首都はニューデリーと教わったが、今はデリーということらしい。

ぐぐったところによると、大きなデリーという行政直轄区の一部の地域をニューデリーと呼ぶらしい。ニューデリーは政府機能施設が集まっている。例えばニューデリーは永田町的なもしくは山の手的なイメージらしい。

この本によると、シャー・ジャハーンがつくった北部にあるオールドデリー(イメージとしては上野、浅草的)。デリー諸王朝の都があった南部(飛鳥地方的)。当時その中間辺りに大英帝国が建設したものがニューデリー(霞が関、大手町的)と呼ばれるようになった。

 

私は世界地図とか眺めるのは好きだったので地理はそこそこわかりますが、歴史はさっぱり。人名や王朝について、世界史動画を少しずつ見ている途中だけど、そこで知った名前がちらほら出てきて嬉しいですよ。少しずつリンクして来てますよ。

 

歴史を見ると、大改革をしたような時代は民衆の反感を買ったり、また大きな事業をすると資金を使い果たしたりで短命で、その後の王朝が改革や国家的な建造物などの恩恵を受けて長続きするというのは一つのパターンでありますね。

また、極端に振れると揺り戻しが来るよね。

一般的に評価されないことも、実はあれのおかげであれが上手く行っていたなど、物事にはそういう面もあるよね。

あと圧政(特定の宗教しか認めないとか)は短命で、寛容的な政策をする方が長続きしがちとか。

だから勝ったときにあまり相手に酷くあたるのはダメなのよ。恨まれて逆襲されるのよ。しかしあまり優しくしても調子に乗られるという…

 

都市については私も考えました。「首都を25年毎に移す」というのは面白そうと一瞬思ったんだけど、全てがオンラインの世界になれば場所はあまり関係ないのかな。

今後はそういう都市の概念が少しずつ変わっていくのかもしれませんね。私はバーチャルでもok的な方なんだけど、多くの人間というものは物理的に集団になりたいらしいし、やはりそう簡単に変わるものではないのかな。(でも今回のコロナで一気に意識は変わった気もするし)

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